【経験豊富な海泳ぎの専門家に聞いた】OWSを楽しむ為のポイント

初めて海で泳ぐ初心者の皆さんへ安全に楽しむための心得とアドバイス

海でのスイミング初心者向けに、安全に泳ぐための心得や準備、トラブル回避のポイント

オープンウォータースイミング(OWS)やトライアスロン、マラソンスイミングなど、自然環境でのスポーツに挑戦することは、素晴らしい体験ですが、海ならではのリスクもあります。初心者が海でのスイミングや長距離スイミングを安全に楽しむためのポイントを、海泳ぎの専門家OWSアドバイザー守谷雅之氏に聞いてきました。

Masayuki Moriya

オーシャンナビ主宰のOWSアドバイザー/守谷雅之

海でのスイムを楽しむことを目的として、スクールやイベントを通じて多くの人々に海でのスイムを楽しんでもらう活動を行っています。2011年8月22日に津軽海峡の単独横断泳に成功され、日テレの24時間テレビ遠泳企画やイッテQ遠泳部でトレーナーを務めるなど、海でのスイムの楽しさを広めるため、多岐にわたる活動を続けておられます。

 

――まず初心者だと、海で泳ぐ際に溺れないか心配な方が多くいると思います。初心者の方に特に意識してほしい具体的な行動や心構えはありますか?

初心者の方には、まず「冷静さ」を保つことが最も重要です。海では予期せぬ状況が発生することが多いため、焦らずに対処する心構えが必要です。また、常に自分の体力やスキルを過信せず無理をしないことも大切です。

実際の現場で見かける溺れそうになる原因としては、水泳開始直後の心拍の急上昇による過呼吸、他のスイマーとの接触や前方確認等のテクニックを習得していないことから起こる焦りや急な体力の消耗、足の立つことのできない水深や水の透明度などからくる不安によるパニックなどがあります。特に初心者は、泳ぎ始めてすぐに疲れてしまうことが多いので、無理をせずに休憩を取ることが重要です。

――パニックを防ぐための簡単なセルフコントロール方法は? 

パニックを防ぐためには、一旦泳ぐ動作を止めて深呼吸をして心拍数を落ち着けることが効果的です。また、背浮きの姿勢をとることで呼吸を整え、冷静さを取り戻すことができます。

――初心者でも簡単に潮流を見分けられる具体的なポイントや観察方法は?

潮流を見分けるためには、波の動きや海面の変化を観察することが重要です。例えば、波が一定方向に流れている場合や、海面が不自然に動いている場合は、潮流が発生している可能性があります。

――潮流の危険性が特に高いシチュエーションや場所の例は?

潮流の危険性が高い場所としては、河口や岬の周辺、そして岩場の近くが挙げられます。これらの場所では潮流が強くなることが多いため、特に注意が必要です。

――事前の準備チェックリストについて、絶対に外してはいけない持ち物や確認項目は?

絶対に外してはいけない持ち物としては、スイムキャップ、ゴーグル、ウエットスーツ、スイムブイの4点が挙げられます。また、事前に天候や潮の状況を確認することも重要です。

――初心者が見落としがちな準備不足やトラブル例を教えてほしい。

初心者が見落としがちな準備不足としては、ウエットスーツのサイズが合っていないことや、ゴーグルのフィット感が悪いことが挙げられます。また、緊急時の対策を事前に考えていないこともトラブルの原因となります。

――初心者が最初に覚えるべき基本ルールやマナーは?

初心者が最初に覚えるべき基本ルールとしては、「無理をしないこと」、「常に周囲の状況を確認すること」、そして「他の泳者と適切な距離を保つこと」が挙げられます。また、ゴミを持ち帰るなどの環境保護のマナーも重要です。

――安全を確保するための必須アイテム スイムブイの効果的な使い方は?

スイムブイは、休憩時に体を支えるための重要なアイテムです。また、視認性を高めるためにも使用されます。泳いでいる間は常にスイムブイを装着が必要と考えます。

――その他に守谷さんが推奨する便利アイテムはありますか?

その他に推奨するアイテムとしては、緊急用のホイッスル、そしてエネルギーバーなどの軽食が挙げられます。これらのアイテムは、緊急時や長時間の泳ぎに備えるために役立ちます。

――初心者がよくやりがちな間違いや、それを防ぐためのアドバイスは?

初心者がよくやりがちな間違いとしては、無理をして長時間泳ぎ続けることや、潮流を無視して泳ぐことが挙げられます。これを防ぐためには、常に自分の体力を把握し、無理をしないことが重要です。

――レッスンで実際に起きた印象的な失敗例や教訓などあれば教えてください。

レッスンで実際に起きた失敗例としては、パニックに陥ってしまった生徒がいたことがあります。この時は、冷静に対処し、背浮きの姿勢をとらせることで落ち着かせることができました。この経験から、冷静さを保つことの重要性を再認識しました。

――スキルアップに向けたアドバイスは?

効率よくスキルを上達させるためには、定期的な練習とフィードバックが重要です。そのためにオープンウォータースイミングを専門的に行っているスクールや、海での練習会に積極的に参加して経験を積むことが必要です。

 


最後に… 初めての海スイムで大切なこと

オーシャンナビ主宰のOWSアドバイザー/守谷雅之氏より

何よりも「楽しむことを忘れないでください」。海でのスイミングは、自然の中で泳ぐ特別な体験。でも、安全が最優先です。正しい知識を身につけ、しっかり準備をすれば、安心して楽しむことができます!安全を第一に考え無理をせずに海スイムの魅力をぜひ体験してください!


 

 

溺れないための心得

まずは冷静に!

海では予期せぬ状況が発生することが多いため、「焦らないこと」が何よりも大切です。泳ぎ始めに無理をせず、体力の消耗を防ぐことを意識しましょう。

こんなときに溺れやすい!

  • 泳ぎ始め直後の過呼吸(緊張や水温差による)
  • 前方確認不足や他のスイマーとの接触でのパニック
  • 深い場所や水の透明度の低さによる恐怖心

パニックを防ぐ簡単な方法!

  • 深呼吸をして心拍を落ち着ける
  • 背浮きの姿勢をとり、呼吸を整える

 

海スイムの基本ルール&マナー

  • 無理をしない!自分の限界を超えない
  • 周囲を確認し、他の泳者との適切な距離を保つ
  • ゴミは持ち帰り、海をきれいに保つ!

 

安全を確保するための必須アイテム

スイムブイの効果的な使い方

  • 休憩時に体を支える
  • 自分の位置を知らせ、視認性を高める

【スイムブイ】を見る▶

 その他おすすめアイテム

  • 緊急用ホイッスル(助けを求めるために)
  • エネルギーバーや水分補給アイテム(長距離スイム時に役立つ)

 

初心者がやりがちなミス&対策

こんな間違いに注意!

  • 泳ぎ続けようと無理をする → こまめに休憩を取る
  • 潮の流れを無視して泳ぐ → 事前に流れをチェック

 

スキルアップのための練習方法

  • 定期的なOWSスクールへの参加(実践経験を積む)
  • 海でのスイム練習会に参加する(環境に慣れる)
  • 長距離スイムのペース配分を学ぶ(体力をコントロール)